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1月31日
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先日、私の修了した大学院の教授だった田淵俊夫先生の退官記念パーティがありました。

美大在学中に「やはり一流の画家は一言一句やモノの見方が違うなぁ」と感じさせてくれた先生は、

故・加山又造先生と田淵俊夫先生のお二人でした。

教育者としての田淵先生は自分と異なる才能を開花させるタイプの人ではありませんでしたが

自分に甘い私にとって、(このお二人の)ご自身の絵に向う厳しい姿勢と、

その結果として生まれた素晴らしい作品の事実こそが(私が自分を戒めるときの)最高の教材であり続けています。

そのささやかなお礼の気持ちの表現として、退官のお祝いの席には顔を出させていただこうと思いました。

 

ただ、正直なところ在学中も卒業後も良い生徒とは言えない私が、

また、早々に退いてしまった組織の(いまや中心となって活躍する)優秀な画家さんがたくさん集まるところへ行くのは

気も足も重かったのですが、退官のお祝いに多くの卒業生が集まったことに、先生が喜んでくださっていたようでしたので、

(過去のこととなった)現在はその一人として参加できてよかったと思っています。

 

ー*ー*ー*ー

 

追記 : 現在加山又造展が、東京乃木坂の国立新美術館で開催中なので行ってきました。

加山先生が生涯に制作された作品数は膨大な量のため、その一部の展示ではありますが、若いころから晩年までの質の高い作品群は

大変見ごたえがありました。これだけの質と量を誇る作品群に圧倒され、「一人の人間のなかにこれだけのエネルギーがあるものなのか」と

改めてその凄さを再認識し、自分がとても小さく情けない人間であることも再認識してしまった次第です。

 

今回の展示を興味深く観て、「加山先生はどんなことを考えて絵に取り組んでいたのだろう」と、その思想面に興味が湧きました。

人気作家でありながら、あまりメディアに露出しない方でしたから、その面を私は知りませんでした。

そこで展示会場で“発言集”」みたいな本をさがしたところ、ありました!

「無限の空間」 小学館 刊

まだ読み始めたばかりですが、非常に哲学的な概念を駆使した思考がうかがえる文章に驚きました。

今ならば、あんなこともこんなことも聞いてみたい、と思うことが満載です。

今更ながら、大学にいらっしゃった時に、その思想の片鱗を垣間見る力すらなかった自分に、後悔の念を禁じ得ません。

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